ことりを憐れむ歌(連作6首)
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鹿ケ谷街庵さんが、BCCSにて電子書籍として配布(無料!)している
童貞喪失歌集『モテない体位』を読みました。
「これは紹介しないわけにはいかない!」と
気持ちが勝手に盛り上がったので短歌をいくつか引きながら紹介します。
■ハートを撃ちぬかれた短歌厳選10首!
わけもなく悲しくなってくるのってどこまで僕のせいなんだろう
さい銭を投げ入れたくてたまらない アンジェラ・アキの口に向かって
カルピスが少しうすいというだけで泣いてしまったことがあります
ちんちんは悲しいおもちゃ なにもかもどこか遠くに飛ばしてしまう
美しくならない歌は美しいだけの言葉を並べた歌だ
友達のちんちんつかみ冗談にしようかどうか決めかねている
ちんちんの皮をひっぱり続けたい いつか国境線を消したい
おれだっておっぱいパブに行きたいよ人間らしい暮らししたいよ
敬虔な気持ちになってしまいます バファリン飲んで効かないときは
鼻水忌 ウソ泣きだけど泣いたからもうサヨナラの時間は終わり
■感想
ご覧いただいたとおり下ネタと下品な言葉のオンパレード。
物の考え方からして「モテないだろうなー」という感じ。
歌集のタイトルに嘘偽りなし。
それでも問答無用でおもしろい!
そして切なく美しい。
それは作者の切実さが伝わってくるからだし、
世俗へのまみれかたの真摯さに胸を打たれるからだと思う。
これは遠くまで届く傑作歌集だと思います!
*
個人的にちょうおすすめです!
みなさんも是非ご覧くださいねー。
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松本大洋の「Sunny」1-2巻をまとめ読みしました。
史上最高傑作すぎて生きるのがつらい・・・・・・。
こんなことを書くのは恥ずかしいのですが、
3回読んで3回とも泣きました。
しかも「涙が出る」というレベルではなくわりと大泣き。
ストーリーや台詞まわしはもちろん、
各話の扉絵やタイトルだけで泣ける。
こんなに泣いたのは子どものころ以来かも。
*
年を取ると涙もろくなるという通説があるけど、
自分について言えば深くうなずけるところです。
感受性は若い時のほうがありそうなのになんでだろう?
考えてみたんだけど、
年を重ねるほど涙もろくなるのは
長生きしている分、いっぱい傷ついているからじゃないかな。
心についているたくさんの傷は、
かさぶたになっていて、
ふだんは気がつかないけれど、
ちょっとしたことで剥がれて痛むんだろう。
だから大人だって自分の心を大事にしないと駄目だ。
大人だからこそ自分の心を大事にしないと駄目だ。
傷ついたときに慰めてくれる大人はもういないんだから。
そして、自分のことをいちばんよく知っているのは
他ならない自分自身なんだから、
まずは自分が自分を抱きしめてあげなきゃ。
そんなことを考えました。
*
悲しみが薄まることと悲しくはないってことは違うのだろう
ほんとうにぽっかり穴があいていれば苦しみだって感じないのに
年齢を重ねるたびに泣きむしになるのは傷が増えていくから
あの子には思い出すたびあたたかくなれる言葉が必要だった
誰だって心のおくに泣きむしなこどもが体育ずわりしている
あたためてあげて心は強がりで嘘ばかりつく弱虫だから
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今回のテーマは「推敲」。
時々「推敲が必要なのか?」という意見を聞くことがあります。
「そりゃそうだろ!」って感じですが、悩ましいポイントがあるのも事実。
ということで今回は、
推敲についての大雑把な指針を与えることを目的として記事を書きました。
■推敲は必要なのか
結論として「推敲はしないよりした方が絶対にいい」です。
そもそも推敲は「作品を良くするために行う修正」なので、
「作品を良くしたい」のであれば議論の余地はないですよね。
結果として作品が良くならないこともありますが、
その場合はその中でベストなものを残せばいいだけの話です。
ただし、(1)どれを推敲するか、(2)どこまで推敲するか、については注意が必要です。
またこの点が初心者が失敗を犯しがちなポイントだと思っています。
そこでこの記事では「ポテンシャル×完成度」の2軸で整理した
「推敲戦略マトリクス」という大げさな名前のツールを用いてこの点を説明します。
■推敲戦略マトリクスとは
横軸に「ポテンシャル」、縦軸に「完成度」をとった2×2のマトリクスです。
各象限ごとに推敲の基本的な戦略・指針を示しています。
【軸の説明】
ポテンシャル:良い作品になりそうかどうか
完成度:作品の完成度合い、推敲の余地がどれだけあるか
■どれを推敲するか
まず理解する必要があるのは、
「どれだけ磨いても石ころはダイヤモンドにならない」という事実です。
また、推敲の余地がないものも推敲する意味がありません。
従って、推敲する対象は、
磨けばダイヤモンドになる第4象限の「ダイヤの原石」ということになります。
「ダイヤの原石」は合格水準に達するまで推敲をつづけることが基本方針です。
第3象限の「石ころ」は思いきって捨てましょう。
その労力を「ダイヤの原石」を磨くこと、
ないし新たなダイヤの原石を発掘すること費やすべきです。
第1象限の「磨かれた石」はそのまま発表してもOKです。
ただし、所詮は石なので大した価値(=評価)は望めません。※
※もっとも価値観は人それぞれなので自分にとっては石ころでも他の人には宝石だということもあり得る
それよりは磨き上げた作品のなかの
何かしら光る部分(フレーズや発想)を次の作品に転用するのがオススメ。
また「磨かれた石」で注意するべきなのは、
「一見キレイにまとまっているだけに、そのつまらなさに無自覚になりやすい」
ということです。
よく見る光景だけに、これは強調しておきたいですね。
第2象限の「ダイヤモンド」は完成作品なので推敲は不要です。
推敲の次のステップとして、効果的な発表方法などを考えることになります。
■どこまで推敲するか
「合格水準に達していると確信できるまで」が判断基準。
ちょっとでも迷いや違和感があるなら推敲を続けるべきです。
「費やした時間や労力」は判断基準になりません。
この考えからすると、
安定的に良い作品を発表している人は、
合格水準が高く、合格水準の判定が厳しく、合格水準の判定が適切な人だと言えます。
逆に発表作品の出来にバラツキがある人は、
合格水準が低い、ないし、曖昧で、合格水準の判定も甘く、合格水準の判定精度も低い人ですね。
そうは言っても、
「鑑賞眼」と「自作を客観視する能力」が要求されてくる話であり、
やれと言われてやれることではないです。
また、どうやって鍛えればいいのかという問題もありますが、
まずはこういったマインドセットを持つことが重要だと思います。
マインドセットを持つだけなら誰でもすぐできますからね。
■推敲前にポテンシャルの高い作品を見極めることをできるのか?
これまでの説明を読んでいると、
当然このような疑問が生まれると思います。
結論をいうと、ケースバイケースですね。
推敲してみないとわからないこともあります。
要するに「ダイヤモンドの原石」を磨いているつもりが
実は「石ころ」で、結果的に「磨かれた石」ができたというケースですね。
不幸なケースではありますが、
その場合は先に説明した「磨かれた石」の推敲方針で作品を取り扱えばOKです。
もっとも、推敲しないとわからないケースは稀で、
だいたいの場合は、推敲前に見極められるというのが個人的な意見です。
この意見について、経験者には感覚的に同意してもらえると思いますが、
それを判断可能にしているメカニズムについては今のところノーアイデア。
今後考えてみたいテーマです。
■この記事で扱っていない重要なこと
以下についてはこの記事で扱っていません。
1.そもそも良い短歌とは?
2.推敲の具体的な方法は?
3.ダイヤの原石を発掘する方法は?
4.鑑賞眼を鍛える方法は?
これらはいずれも推敲するためには重要なことです。
いずれ別記事で考えを述べてみます。
■まとめ
最後に今回の記事を簡単にまとめておきます。
1.作品を良くしたいなら推敲すべき
2.なんでもかんでも推敲すればいいわけではない
3.何をどこまで推敲するかは「ポテンシャル×完成度」で整理すると良い
4.「推敲戦略マトリクス」を使って推敲の基本方針を考える「たたき台」にする
5.作品の質を高位安定させるには「鑑賞眼」と「合格水準についてのマインドセット」が不可欠
6.鑑賞眼はともかくマインドセットはすぐ持てるのでまずは意識改革からはじめよう
この記事が傑作短歌を生み出す一助になれば嬉しいです。
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おじいさん教えて 彼女が好きなのにぼくのクララがもうたちません
一晩に二回も? 愛は無限でも愛することには限界がある
おじいさん あのねアルムのもみの木に聞いてみたから帰っていいよ
# 佐々木あららさんの 連作『クララ』(2006) リスクペクトということで。
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