« 【感想】題詠blog2010 お題「春」への投稿作品(2010.5.29) | トップページ | 【夜の連続誤読小説】第1話 犬の涙 »

2010年5月29日 (土)

【短考】戦略的な短歌づくりに欠かせない「歌人ライフサイクル」について(出展:かんたん短歌ペディア)

■概要

歌人ライフサイクル(kajin life cycle)とは、かんたん短歌用語の1つで、
各歌人が短歌を作りはじめてからやめるまでの期間の創作数と評価の変化に着目する考え方である。
最適な歌づくり戦略を構築するための分析ツールとなる。

■歌人ライフサイクルを構成する4つの段階

Product_life_cycle_basic_nt 歌人ライフサイクルは4つの段階より構成される。

   1. 導入期
   2. 成長期
   3. 成熟期
   4. 衰退期

通常の歌人ライフサイクルは、創作数(A)評価(B)を時間軸でプロットするとS形の曲線を描く。

1. 導入期

導入期は、歌人が『サラダ記念日』『ますの。』などを読んで
「私にもつくれる!」
とかるく調子にのり、
短歌をつくりはじめてから、徐々に創作数が伸びていく期間である。
見よう見まねで短歌をつくっているために評価は「♪はー さっぱりさっぱり」なことが多い。
導入期では、少しでも早く成長期に移行することが有効な戦略になる。

2. 成長期

成長期は、『かんたん短歌の作り方』などの短歌入門本を読みはじめ、
創作する短歌が「かんたん短歌blog」に大量に入選するなど、高い評価が得られる期間である。
センスの良い人だと、短歌を作りはじめてから数日でこの段階に達する場合がある。
成長期では、どんどん短歌をつくり続けることが有効な戦略である。

3. 成熟期

成熟期は、これまでの作風に行き詰まりを感じ、
「穂村弘」「早坂類」などといった自分の作風と異なる歌人に感化され、
似たような短歌を創作しがちな期間である(→ほむほむ病)
また、この時期の歌人は、「下ネタ」「笑い」などの独自色を打ち出そうとする傾向が強いが、
あざとさ
が目につき逆に評価を落とすことも多い。
成熟期では、他人からのフィードバックを受けて、基本に立ち返ることが有効な戦略といえる。

4. 衰退期

衰退期は、短歌の創作数が減少してゆき、評価もそれに伴って減少する期間。
いつの間にかフェードアウトしていく人が多いが、
中には結社に入ることで別の方向性を模索する人もいる。
衰退期では、創作数が途絶しないようにモチベーションを維持する仕組みづくりが必要な戦略になる。

■3つの代表的パターン

305pxproduct_life_cycle_3_charts_1_上に示した標準的なS形の曲線を描く歌人サイクルの他にも
いくつか代表的なパターンがある。

1. 成長・急落・成熟パターン

成長期に高い評価を得たあとに、作風変更に失敗して評価が急落するが、
なんとか持ちなおして、一定の評価に維持される。

2. サイクル・リサイクル・パターン

「かんたん短歌blog」への投稿活動によって創作数が維持される歌人のパターンである。
最初の投稿開始時に、運良く入選するなどして創作数が順調に増えつづけ、
その後、「かんたん短歌blog」の休止宣言とともに創作数は落ち始めるが、
再び「かんたん短歌blog」が復活すれば創作数が回復する。
もう少し自立したほうがいいかもしんまいというパターン。

3. 波形パターン

新たな発表の場の開拓、歌集の出版、結社への入社など、
新たな試みをしつづけることによって、創作数と評価が波状的に維持される。

■創作期間から見た3つのパターン

各歌人は、好調に評価される期間によって
「スタイル」「ファッション」「ファッド」の3つに分類できる。

305pxproduct_life_cycle_3_charts_2_ 1. スタイル

「スタイル」は、あまり他人に左右されない個人的信念によって、
創作活動が長く続いていく場合に描かれる曲線である。
多少の浮き沈みを繰り返しながら、長ければ数十年にも渡って続いていく。
(代表的な歌人:伊勢谷小枝子さん)

2. ファッション

「ファッション」の曲線を描く歌人は、将来の動向を予測することが最も困難である。
読者のセンスに訴えることで高い評価を獲得する作品が多く、
他の歌人とは差別化が図られなければならない。
新奇性を求める読者によって短期的に評価が高まっても、
模倣作があふれると、新奇性が急速に失われ、陳腐化してしまう。
(代表的な歌人:ノーコメント

3. ファッド

「ファッド」は上記「ファッション」の一種であり、急速に評価が高まり、
すぐにピークに達し、その後急速に評価が落ちるという曲線を描く。
新奇性だけでごく限られた読者に支持され、
読者の大多数のニーズに合致していない場合に起きる失敗例といえる。
ファッドを避けるには新奇性を常に維持するために、多種の新たな作風に差し替えて、
読者の興味を持続させる工夫が必要となり、それによって歌人の寿命は長くできる。
(代表的な歌人:もっとノーコメント

■参考文献・出展

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1) 製品ライフサイクル
2) ファイル:Product life cycle (Basic) NT.PNG
3) ファイル:Product life cycle (3 charts) -1 NT.PNG
4) ファイル:Product life cycle (3 charts) -2 NT.PNG

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

|

« 【感想】題詠blog2010 お題「春」への投稿作品(2010.5.29) | トップページ | 【夜の連続誤読小説】第1話 犬の涙 »

短歌のことを考えました」カテゴリの記事

コメント

すごい!
これを読みながら
自分がどれにあたるのかを冷静に考えたら
冷静ではいられなかった。

投稿: 檀可南子 | 2010年5月29日 (土) 23時39分

檀可南子さん、いつもありがとうございます。
人は他人の言動や作品を鏡うつしにして自分自身を見ている、と思うことがあります。
「冷静」でいられないなにかをこの記事から感じたとすれば、
その答えは檀可南子さんのなかにしかないのかも……。
ご武運を!

投稿: 短歌ウルフR管理人 | 2010年5月30日 (日) 08時20分

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 【短考】戦略的な短歌づくりに欠かせない「歌人ライフサイクル」について(出展:かんたん短歌ペディア):

« 【感想】題詠blog2010 お題「春」への投稿作品(2010.5.29) | トップページ | 【夜の連続誤読小説】第1話 犬の涙 »