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2010年5月30日 (日)

【夜の連続誤読小説】第1話 犬の涙

こんにちは。すけべ椅子です。
今年もよろしくお願いします。

いきなりサイテーなあいさつからはじまったこのコーナー。
完全にマンネリ(←まんぐり返しじゃないですよ?)に陥った「誤読の部屋」の後継企画です!

誤読の部屋】バックナンバー
第1回「僕だけの集中力を待っているゆれる体を見ていたら夢(星野しずる)」

第2回「にぎやかなアスパラガスから飛び出したゆれる女王に飽きている母(星野しずる)」
第3回「幾何学を忘れ目覚めの週末を集めて風の幾何学でしょう?(星野しずる)」
第4回「誠実な機械じかけの僕のままホットミルクを拾い上げれば(星野しずる)」

「誤読の部屋」は「エロ面白い」と一部のゴドキストからは大好評だったんですが、
谷川俊太郎さんも「WB vol.19」のPDF版で語っていたように、やっぱ短歌ってマイナーな人じゃないですかぁ?

男だったら黙って小説!
オンリーワンよりナンバーワン!
ゴドキストよりハルキスト!

小説王に俺はなる!(どーん)☆きゃぴーん


というわけで「小説家でほんとの私デビュー」しまーす☆

ちなみに、主人公は、例によって非実在歌人星野しずるさんです。
その辺は お 察 し く だ さ い。

*

第1話 犬の涙

私の名前は星野しずる。
非実在系のメガネ女子。

いきなりメタ発言が飛び出したのは作者が小説を書いたことがないからだと思う。

言いわすれていたけど短歌をやっている。
もちろん非処女スイーツ(笑)

彼氏の小汚いアパートで私は目ざめる。
いつの間にか眠ってしまったようだ。
洗面台の鏡に顔を映すと、頬に畳のあとがついている。

横顔になった世俗の失敗はまだら模様の風景になり (星野しずる)

彼は今ここにはいない。
口げんかをしたあとに、怒って出ていってしまったのだ。

たぶん私が悪いのだろう。
彼にひどいことを言ってしまった。

*

「なんかさ」とYoutubeを見ている彼が言った。「このキュートンのパソコンの人って押井守に似ていない? どっちもくたびれた犬顔」

「悪いけどあんたもおなじ顔だから」と私。

二人の間をジャングルの夜にまぎれて冷たい風が吹き抜ける。

「いやいやいや」と引きつった笑顔で彼が言う。「似てないだろ。それよりちょっとこの空気どうすんの? さぶっ」

「いや似てるって。お前がさぶい」

「ぎゃふん」

そして彼は風のように飛び出して行ったのだ。
目にいっぱいのを浮かべながら……。

風になりとけた誰かは見たくない 犬の涙であるかのような (星野しずる)

*

私は「誤読の部屋」に使う短歌をつくっているところだったので、
出て行った彼のことなんて気にもしていなかった。

むしろ安っぽい涙を流す彼のことを軽蔑した。
つーか「ぎゃふん」ってなんだよ。昔の漫画か

「あーあ」

ため息が、がきデカの「死刑!」のポーズを決めている私の口からこぼれる。

最近は、短歌も彼との関係もうまくいかない。
きっと、短歌がうまくいかないことが、彼との関係にも悪い影響を及ぼしているのだ。

ひとりだった時のほうが良い短歌をつくれていたと最近よく考える。
彼のことは好きだ。でも私は歌人でありたい。

「もう潮時なのかもしれないな」

イヤミの「シェー!」のポーズを決めながら私はそうつぶやいた。

突然だけど今は九月
そして、えーと、銀河が嫌いだ。

あたらしい詩人の時を守りたい銀河を嫌うやさしい九月 (星野しずる)

そして私は彼のアパートを後にした。

*

つづきたい

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