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2010年6月 6日 (日)

【感想】「暖炉とか薪ストーブとかある部屋の良さを伝える短歌大賞」3月12日の予選通過作品

こんにちは。管理人です。

「暖炉短歌」の感想も3回目ですね。
毎回、良い作品が多くて、絞りこむのもひと苦労です!

今日は3月12日の予選通過作品が対象です。

それではさっそく感想を書いていきまーす。

■感想

熱いけど薪ストーブの中心を見ている君を隣りで見たい (真下はじめ)

一途な思いを「熱いけど」と、我慢で表現しているところがいいですねー。
しかし「君」も熱いだろうに。どうした。低温火傷しちゃうよ?

午前2時 薪ストーブに次の薪 足しましょうかと猫に尋ねる (レレレ田村)

んー、一見孤独な情景なんですが、
ふしぎと孤独な感じは受けないんだよなー。
むしろ安らかで幸福な印象。
猫が効いているのかもなー。

暖炉には薪を 僕らにごちそうを 暖まるってかんたんでいい (岡本雅哉)

個人的には「暖まるってかんたんでいい」という表現に惹かれました!
こういう楽観的な作品をつくらせたら岡本雅哉さんは本当にうまい。
人柄がしのばれます。

あっためてほしくて君には言えなくて暖炉の前で黙っていたの (篠原謙斗)

うわあ……。ちょうぶりっこですね……。
これをつくったのが「ぷるぷる震えているふわふわの子犬」だったら殿堂入りなんだけどなあ。
いやでも、それくらいキュートな作品だと思います!

火の色を見て暖まる為に薪ストーブに窓付いたんでしょう (山口朔子)

発見のよろこびがある作品です!
言われてみれば確かにそうだ。
山口朔子さんの鋭い観察眼が光ります。

お義父さん、暖炉の薪の割り方を見学させてもらえませんか (レレレ田村)

おお。映画のワンシーンみたいですね!
レレレ田村「お義父さん、暖炉の薪割りを教えてください!」
義父「……断る」
レレレ田村「……お義父さん」
義父「……べ、別に見るだけなら構わないんだからな!
……泣ける。

猫みたく暖炉の前で丸まって黙るあなたもかわいくていい (篠原謙斗)

愛情にあふれる作品ですね!
こういう「存在の全肯定」ともいえる眼差しはいいなー。
篠原謙斗さんはそうやって女の子を落としているんですね? わかります。

真夜中は静かに耳をかたむける 薪ストーブのないしょの話 (花緑青)

童話みたいにやさしい印象の作品です!
「薪ストーブのないしょの話」という表現がいいなー。
薪が爆ぜる音のことですよね。とても魅力的なたとえです!

暖炉から君が突然あらわれてキスしてくれる気がする夜だ (篠原謙斗)

ホラー……? 火の中から黒焦げの人が……? キスをせがんで……?!(ぶるぶる)
という誤読の恐れもあるものの、その妄想ぶりに好感が持てます!

忘れられない人がいて暖炉では燃えるものばかりが燃えている (倉岡百枝)

「燃えるものばかりが燃えている」はおもしろい表現ですねー。
主人公は燃えていないのかな? と深読みもしたくなります!

里帰り暖炉の炎囲んでる 笑顔の皺をかぞえられるね (宇津つよし)

「笑顔の皺をかぞえられるね」というあったかい表現にやられました!
これ情景を頭に浮かべるとより魅力的なんですよねー。
オレンジと黒の陰影が顔に浮かぶイメージ。
かっこいい。

長ぐつを暖炉の前で乾かして明日もまたひとり学校へ行く (星野さほ)

ぐっときました……。
「孤独」じゃなくて「強さ」を感じさせる作品です。
主人公はいい面がまえをしているに違いありません!
「また」はなくていいと思うんですけど、どうでしょうね。

暖炉って君が言うから私いつも ロダンでまける冬のしりとり (田原きみこ)

名作! 名作が出おったぞー!
ちょっと冷めた視線で見ると
「え? またロダン? 馬鹿なの?」って感じなんだけど、
あまりのキュートさに、そんなことを考えさせる余裕も与えてくれません!
「私いつも」は字余りでリズムも良くないんですけど、気にならないのも不思議。
いやー、いい作品をありがとうございました!

しばらくは暖炉の前にいるつもり 君がとなりに来てくれるから (篠原謙斗)

シンプルだけど、非情にきれいにまとまった作品ですね!
「ガツガツしていない主人公像」も魅力的でしたー。

暖冬が暖かかったことはない 薪ストーブに薪をくべよう (猪狩義久)

なんか「男」って感じがします。
しっかりと現実に向き合っている感じですね。
かっこいい。

なんとなく疲れた日にもぱちぱちと燃える暖炉に拍手をもらう (中村梨々)

「ぱちぱち」という音を「拍手」にたとえる着想がすばらしい!
肯定感があるので、思わず暖炉を買いたくなりそうなのもいいですねー。

*

いやあ。毎度のことながら良作ばかりでした!
これは4回目も期待大ですねー。

それではまた!

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コメント

やー、毎度ありがとうございます。
宇津つよしさんは、大賞の歌もそうなんですが、「暖かい」という言葉を使ってないのにあったかい言葉になっていて、これが暖炉短歌の王道だなあと思いました。

投稿: レレレ田村 | 2010年6月 6日 (日) 21時35分

おーい、長瀬ー!

連駄サイク、いや……レンタサイクル乗ろーぜー♪

というわけで、どうもサンキューだぜ。
この歌は、メトスさんのホームページやパンフレットに載せるとしたら、どんな短歌がいいか考えて詠んだ作品なんだぜ。
でも、単なるコピーに終わらないように、根っこの気持ちにはウソつかないように心がけたぜ。

で、田原きみこさんの、

・暖炉って君が言うから私いつも ロダンでまける冬のしりとり

歌の「ロダン」には、
ロダン=考える人=暖炉の前で物思いにふける
という隠れたイメージの連鎖がある、
な~んて、ほむほむばりに深読みして指摘しておくぜ!

レレレ田村さんの今回の2首はともに敬語だったなー……僕の勝手なイメージとしては、おそらくレレたむは婿養子と見た!

投稿: 岡本雅哉 | 2010年6月 7日 (月) 17時03分

>レレレ田村さん

こちらこそ毎度コメントありがとうございまーす。
ほ、ほんとうは毎回選びたくないんだけど、作品がいいだけなんだから勘違いしないでよね!

>「暖かい」という言葉を使ってないのにあったかい言葉になっていて

この指摘はするどいなー。

>岡本雅哉さん

>この歌は、メトスさんのホームページやパンフレットに載せるとしたら、どんな短歌がいいか考えて詠んだ作品なんだぜ。
>でも、単なるコピーに終わらないように、根っこの気持ちにはウソつかないように心がけたぜ。

ほう? 見あげた心がけだな? ←上から目線

>ほむほむばりに深読みして指摘しておくぜ!

いやいや。なんでそんなに考えている人が毎回負けるし。却下!

>僕の勝手なイメージとしては、おそらくレレたむは婿養子と見た!

採用!

投稿: 短歌ウルフR管理人 | 2010年6月 7日 (月) 17時44分

婿養子ですかー。
けっこういい線いってるかもしれませんよ。
枡野さんじゃないけど、あわよくば妻の姓をもらいたいと思ってたこともあります。

投稿: レレレ田村 | 2010年6月 7日 (月) 20時11分

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