« 2010年5月16日 - 2010年5月22日 | トップページ | 2010年5月30日 - 2010年6月5日 »

2010年5月23日 - 2010年5月29日の11件の記事

2010年5月29日 (土)

【短考】戦略的な短歌づくりに欠かせない「歌人ライフサイクル」について(出展:かんたん短歌ペディア)

■概要

歌人ライフサイクル(kajin life cycle)とは、かんたん短歌用語の1つで、
各歌人が短歌を作りはじめてからやめるまでの期間の創作数と評価の変化に着目する考え方である。
最適な歌づくり戦略を構築するための分析ツールとなる。

■歌人ライフサイクルを構成する4つの段階

Product_life_cycle_basic_nt 歌人ライフサイクルは4つの段階より構成される。

   1. 導入期
   2. 成長期
   3. 成熟期
   4. 衰退期

通常の歌人ライフサイクルは、創作数(A)評価(B)を時間軸でプロットするとS形の曲線を描く。

1. 導入期

導入期は、歌人が『サラダ記念日』『ますの。』などを読んで
「私にもつくれる!」
とかるく調子にのり、
短歌をつくりはじめてから、徐々に創作数が伸びていく期間である。
見よう見まねで短歌をつくっているために評価は「♪はー さっぱりさっぱり」なことが多い。
導入期では、少しでも早く成長期に移行することが有効な戦略になる。

2. 成長期

成長期は、『かんたん短歌の作り方』などの短歌入門本を読みはじめ、
創作する短歌が「かんたん短歌blog」に大量に入選するなど、高い評価が得られる期間である。
センスの良い人だと、短歌を作りはじめてから数日でこの段階に達する場合がある。
成長期では、どんどん短歌をつくり続けることが有効な戦略である。

3. 成熟期

成熟期は、これまでの作風に行き詰まりを感じ、
「穂村弘」「早坂類」などといった自分の作風と異なる歌人に感化され、
似たような短歌を創作しがちな期間である(→ほむほむ病)
また、この時期の歌人は、「下ネタ」「笑い」などの独自色を打ち出そうとする傾向が強いが、
あざとさ
が目につき逆に評価を落とすことも多い。
成熟期では、他人からのフィードバックを受けて、基本に立ち返ることが有効な戦略といえる。

4. 衰退期

衰退期は、短歌の創作数が減少してゆき、評価もそれに伴って減少する期間。
いつの間にかフェードアウトしていく人が多いが、
中には結社に入ることで別の方向性を模索する人もいる。
衰退期では、創作数が途絶しないようにモチベーションを維持する仕組みづくりが必要な戦略になる。

■3つの代表的パターン

305pxproduct_life_cycle_3_charts_1_上に示した標準的なS形の曲線を描く歌人サイクルの他にも
いくつか代表的なパターンがある。

1. 成長・急落・成熟パターン

成長期に高い評価を得たあとに、作風変更に失敗して評価が急落するが、
なんとか持ちなおして、一定の評価に維持される。

2. サイクル・リサイクル・パターン

「かんたん短歌blog」への投稿活動によって創作数が維持される歌人のパターンである。
最初の投稿開始時に、運良く入選するなどして創作数が順調に増えつづけ、
その後、「かんたん短歌blog」の休止宣言とともに創作数は落ち始めるが、
再び「かんたん短歌blog」が復活すれば創作数が回復する。
もう少し自立したほうがいいかもしんまいというパターン。

3. 波形パターン

新たな発表の場の開拓、歌集の出版、結社への入社など、
新たな試みをしつづけることによって、創作数と評価が波状的に維持される。

■創作期間から見た3つのパターン

各歌人は、好調に評価される期間によって
「スタイル」「ファッション」「ファッド」の3つに分類できる。

305pxproduct_life_cycle_3_charts_2_ 1. スタイル

「スタイル」は、あまり他人に左右されない個人的信念によって、
創作活動が長く続いていく場合に描かれる曲線である。
多少の浮き沈みを繰り返しながら、長ければ数十年にも渡って続いていく。
(代表的な歌人:伊勢谷小枝子さん)

2. ファッション

「ファッション」の曲線を描く歌人は、将来の動向を予測することが最も困難である。
読者のセンスに訴えることで高い評価を獲得する作品が多く、
他の歌人とは差別化が図られなければならない。
新奇性を求める読者によって短期的に評価が高まっても、
模倣作があふれると、新奇性が急速に失われ、陳腐化してしまう。
(代表的な歌人:ノーコメント

3. ファッド

「ファッド」は上記「ファッション」の一種であり、急速に評価が高まり、
すぐにピークに達し、その後急速に評価が落ちるという曲線を描く。
新奇性だけでごく限られた読者に支持され、
読者の大多数のニーズに合致していない場合に起きる失敗例といえる。
ファッドを避けるには新奇性を常に維持するために、多種の新たな作風に差し替えて、
読者の興味を持続させる工夫が必要となり、それによって歌人の寿命は長くできる。
(代表的な歌人:もっとノーコメント

■参考文献・出展

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

1) 製品ライフサイクル
2) ファイル:Product life cycle (Basic) NT.PNG
3) ファイル:Product life cycle (3 charts) -1 NT.PNG
4) ファイル:Product life cycle (3 charts) -2 NT.PNG

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

【感想】題詠blog2010 お題「春」への投稿作品(2010.5.29)

こんにちは。管理人です。
将棋の「金」の裏に字がないのは誤植ですか?
今年もよろしくお願いします。

今回から、管理人も参加している題詠blog2010に投稿された作品の感想を書くことにします!
初回なので感想の方針をかんたんに説明しまーす。

■感想の方針

1. 好きな作品だけを取り上げる
2. 批判的な感想自重
3. 感想はお題別で、対象となるのはその時までに投稿された作品
4. 投稿締切後に、全お題を再フォロー

完走した人ごとに感想を書く、というやり方もあると思いますが、
「へろへろになって走っている人こそを応援したい!」
という思いから、こういう方針になりました。

どうぞよろしくお願いします!

■感想

題詠ということで、「春」という言葉が入る必然性を重視して選びました。

001:春(菅野さやか) (あの夏飛行機が落ちるまでずっと)
思春期を迎えたせいで加速する地球温暖化現象です

恋愛に熱くなっているせいで「地球が温暖化する」ってことですかね?
すごく……自意識過剰です……。
でもすこーんと突きぬけた感じが「青春」ぽくて魅力的!
過剰な自意識も思春期の特権ですもんね。

001 春 (山茶花街道)
望まれてもフィンランドには春らしきことの一つもしてやれなかった

正直迷いました……。だってよく意味わからないんだもの!
どんだけ「責任感」があんだよと。というか誰目線?
でもその過剰な感じがおもしろいんだよなー。

001:春(富田林薫) (カツオくんは永遠の小学生。)
アントキの猪木にこころ奪われた春一番よさよならごめん

勝手に謝られて一方的に別れを告げられて春一番もきょとーんですよ?
バカバカしい内容なんですけど、ちゃんと笑えるし、完成度も高い!
でも、富田林薫さんが謝らないといけないのは、
本家本元なのにすっかり蚊帳の外におかれたアントニオ猪木だと思います。

001:春(古屋賢一) (燦獣イチオン)
なんだったら春日の左脇でいいと思えるくらいひとりな夜だ

それは重症ですね……。
古屋賢一さん。だいじょうぶか。元気だせよ。
春日の自宅はネットで調べればわかるらしいので、どうしてもアレならええ

001:春(中村あけ海) (庶務課中村が承りました)
鼻歌がスーダラ節だ 三木さんは春から嘱託社員だそうだ
 

三木さん、ご陽気ですね!
春らしいほのぼのとした素敵な作品だと思いました。
ところで定年→嘱託社員ってことですかね?
鼻歌をうたいたくなるもんなんでしょーか。

001:春(あみー) (正直なたましい)
雪国に行くトンネルを反対に抜ければそれが春ではないか

違うだろ。←つっこみ
なにその「ひらめいた!」みたいな口ぶり……。
あみーさんの「ドヤ顔」が目に浮かぶようです。

001:春(こゆり) (おかっぱ短歌)
愛されてみるのもたぶんわるくない 春一番にさらす巻き髪

なるほど。富田林薫さんに捨てられた春一番に巻き髪をさらすわけですね?
ってちがうかー。
真面目な話、「愛されてみるのもたぶんわるくない」ってフレーズがいい!
実は管理人も「春風に髪をあそばせる情景」をつくってみようとしました。(結果は聞かないでください……)
この作品はうまいなー。

001:春(木下一) (微熱の方程式)
春休みの宿題として書き上げる だいたひかるを愛しています

なるほど。わかりません。
「だいたひかるを愛しています」と書き上げる宿題ってどんなだよ!
なんとなく「道徳」か?
ともかく不思議なおかしさがこみあげてくる作品でしたー。

001:春(田中ましろ) (ましたん)
もうきっとあなたのペース ごくぶとの生春巻きをひといきに噛む

あー。えっちな歌ですね? わかります。
「ごくぶとの生春巻き」とあるので間違いありません!
しかし「ひといきに噛む」とは田中ましろさんはとんだ阿部定だなー。
飲み込む前によく噛んでくださいね?
なんか「嫌悪感はあるけど逆らえない」びみょーな女ごころがよく出ていると思いました!
惚れた弱みってやつだな。うん。

001:春(日向奈央) (純粋ボタン)
失恋もしたことですし眠ります 起きたら春でありますように

無茶しやがって……。
「起きたら春」なわけないじゃん!
日向奈央さん! 目を覚まして! 2つの意味で!
でもこの「どこかカラッとした痛々しくない絶望感」が魅力的です!

001:春(ろくもじ) (タンカコタンカ 題詠篇)
デートにはきっと花柄ワンピース できないはずがない春が来る

この作品は「できないはずがない春が来る」というフレーズがすべてじゃないかと!
CMのキャッチコピーに使われてもおかしくないクオリティだと思います。
マルイの春のバーゲンとか。どうですか。マルイさんよ
「できないはずがない春が来る……ユーキャン」。(えー)

001:春(じゃこ) (むしことば)
春が来たらしいぴょんぴょん飛び跳ねるあの子にばねを入れたのは誰

他愛もないと言ったらそれまでなんですけど、
このほのぼのとした雰囲気がたまりません!
「ばねを入れたのは誰」という表現もいいですよねー。
なんか幸福感が満ちあふれている感じがする。
にやにやしちゃいますねー。

001:春(あみ) (あみむめも短歌♪)
飯田橋-春日-本郷三丁目 「メールするね」と中野坂上

「内容はないよう」というさぶいダジャレを言っても後悔せずにすむ作品です!
でもその能天気さがすごくいい!
あとなんか「演歌の歌詞」みたいです。
女子高生にこの歌詞で演歌を歌わせたらいけるのでは?
どうですか。サブよ

001:春(さまよいくらげ) (よみあるく日々)
ユーキャンの広告が来る「まだ春はきていません」と返信を書く

出た! ユーキャン!
まるで、ろくもじさんへの感想を見越していたようです!
エスパーなの? さまよいくらげさんはエスパー伊藤なの?
そして丁寧に返信を書くさまよいくらげさんの「律儀という名のいやがらせ」を見てください。
ユーキャンも涙目ですよ?

*

いやー、やっぱり200以上の作品があると、名作ぞろいですねー。
絞りこむのがたいへんでした……。

でもおかげさまでたのしく感想を書くことができました!
ありがとうございまーす。

ちなみに管理人が投稿した作品はこちら。

001:春(長瀬大) (短歌ウルフR)
そりゃ俺は三浦春馬じゃないけれどあなたも佐々木希じゃないよ?

いい作品だ……。

それではまた!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月28日 (金)

【短考】iPadは短歌などのマイナー文芸を救えるか?

本日2010年5月28日、日本でのiPad販売が開始されました。
【iPad発売】銀座で1200人の列 歓声と拍手とハイタッチで祝う

「うおーっ」

「ヒュー、ヒュー」

記事によると、そんな歓声がわきあがったそうです。
「ヒュー、ヒュー」なんて華原朋美以来ですよ?

また別の記事では、ソフトバンクの孫正義社長が
「ライフスタイルを変える魔法の端末」と絶賛しているそうです。
【iPad発売】「ライフスタイル変える魔法の端末」孫社長

もちろんポジショントークとして割引かないといけないですが、
多くの人たちがiPadに熱い期待を注いでいるのは間違いないようです。

■出版業界がiPadに期待する理由

そのなかのひとつが「出版業界」です。

「若者の活字離れ」などマーケットの縮小が危惧されるなかで、
電子書籍を救世主にしたいという思惑があるようです。

ただ、こちらの記事によれば著作権の問題がクリアできずに、
肝心の品揃えがまだ薄いとのこと。
iPad効果で紙の本も売れる?注目は電子書籍

iPadの出現により、電子書籍ブームが盛りあがれば、
爆発的に品揃えが増える可能性もあるので、今後の動きに要注目ですね!

■短歌ブログでどうして電子書籍?

どうしてこのブログで電子書籍の話題を取りあげたかというと、
マーケットの小さいマイナージャンルと電子書籍の相性が良さそうだからです。

言うまでもなく「短歌」はちょうマイナーな文芸です!

枡野浩一さん穂村弘さんといったトップクリエイターでさえ
歌集を商業出版するのは難しい、という現状です……。

それは一重に「短歌が儲からないから」なんですね。

違う言い方をすると、
「利益を出すために必要な販売部数まで売れないと思われている」
ということです。

したがって、出版会社からすれば出版するメリットがないわけです。

しかし電子書籍であればそのハードルを越えることができるかもしれません。

■ポイントは生産コストの低減

何故、電子書籍だとハードルが越えられるのか?

それは、販売部数が増えるから、ではありません。、
生産コストが下がることで利益を出すために必要な販売部数が下がるからです!

電子書籍はその名のとおり「電子データ」なので、
100部を10,000部に増やすための追加コストはほぼゼロ円です。

一方で、紙の書籍は、印刷・製本に大きなコストがかかります。
そしてそれは本の数だけ追加的に発生します。

ここが重要なポイントなんですねー。

いずれにせよ、必要な販売部数が下がれば、それだけ出版しやすくなるわけで、
電子書籍化により、マイナージャンルの文芸であっても出版しやすくなる
ということは言えそうです。

このあたりのことは、小林拓矢さんがお書きの記事もご参照ください。
(歌人は電子書籍の夢を見るか?)

めでたしめでたし!

■そうは「電子問屋」がおろさない

でもちょっと待ってください。
確かに出版はしやすくなりました。

でもそれで万事オッケーなのでしょうか?

つまり、それでマイナー文芸の作者は今よりお金もちになれるのでしょうか?

そう単純な話ではなさそうです!

まず、電子書籍の場合、販売価格が紙の書籍の数分の一に設定されるケースが多いです。
したがって、販売部数が変わらないとしたら、売上金額は下がります
当然ですね。

この時に、印税率が同じであれば、作者の収入は減ることになります。ふしぎ!
※実際には、もちろん印税率は上がります。70%くらいになる可能性も。

電子書籍にするだけで「短歌」の需要が増えるとか、
そんな都合のいいことなんてないわけで、
結局、マイナー文芸の作者の暮らし向きがよくなるなんてことはないかも……
というのが管理人の第一感です。

■アマチュア作家と競合する世界へ

そもそも、出版のハードルが下がることは、
プロの作家からすれば良いことだけではありません

何故なら、大量のアマチュア作家が出現して、
彼らとの熾烈な競争に突入するからです!

その結果、一部の突出した作家をのぞき、
ほとんどの人はロングテールの先っぽに追いやられて、
とても生活できないレベルの細々とした収入を分け合う
そんな状況になる可能性が高い。

電子書籍のメリットを最大限に享受できるのは、
Amazonなどのプラットフォーム提供者(=元締め)や、
これまで出版ができなかったアマチュア作家たちであり、
プロの作家にとっては諸刃の剣なのかもしれません。

■大事なのはマーケットの拡大

とはいえ、これまでの話は「マーケット規模が変わらない」ことを前提にしています。
逆にいうと、マーケットが拡大すればすこし明るい風景が見えてくる、ということです!

そしてマーケットを拡大できる可能性はあると思うんですよねー。

電子書籍が広まれば、いつでも、どこからでも買えて、その場で読む、
そういったスタイルが定着してくるはずです。

また、電子書籍は紙の書籍に比べて安い販売価格で提供できます。

つまり、本を入手する金銭的・物理的・心理的なハードルがぐっと下がるわけです!
そうなれば、今まで本と接する機会のなかった新しい読者を発掘できるかもしれません。

短歌についていえば、そのようなダウンロード購入、モバイル読書に向いた文芸ともいえます。
なんといってもたった31音ですから!

このあたりの具体的なアイデアについては、いずれ別記事でまとめてみますね。

■電子書籍への流れは止まらない

最後に重要なこと。
それは「電子書籍への流れは止まらない」ということです!

もちろん印刷された本も残りますが、中心は電子書籍に変わっていくはずです。

だから「是非」をうんぬんしてもしょーがない。
それよりも電子書籍とどのように付きあうか、そのことを前向きに考えるべきだと思います。

とりあえず、iPadがホットなうちに、iPad/iPhone向けの電子歌集アプリを出すのはどうでしょう?
こういうのは早い者勝ちです。

それではまた!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「第十回文学フリマ」で購入した本の紹介

こんにちは。管理人です。
キリンさんは変なデザインだと思います。でも象さんもどうかと思いますよ?
今年もよろしくお願いします。

第十回文学フリマのレポートを4回に渡ってお届けしてきました。

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート
「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート完結版(前編)
「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート完結版(後編)
【復活!】「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート ←現場でのPR方法にスポット

今回は締めくくりとして、文学フリマで購入した本を紹介します!

『八月科』 著:夏己はづきさん

P5270107_2

札幌市在住のテルミン奏者かつ即興演奏家にしてフリーゲーマー
本ブログでは「おさむらいさん」の愛称でおなじみ夏己はづきさんの短歌集です。

何首か引用しますね。

正しさを信じるものが振り上げる合金製のメートル原器
はらいそ、と君がつぶやく夕暮れにジャングルジムよ密林となれ
なんとなく象の大きささえ忘れかけているから動物園へ
ビニールを剥いて銅線すっと抜くように別れは一瞬だった
ぬけがらを置いてゆきます あなたならそれで十分だと思うので
ゆっくりとかたむきながらあのひとのあたまのなかがほろびていった

きっぱりとした表現が魅力的ですねー。
さすが「おさむらい歌人」です!

「メートル原器」「銅線」といった言葉のチョイスからは「少年性」を強く感じます。
理科と空想小説が好きな男の子のイメージ。

ちなみに、この本については「製本にも力を入れた」とのことです。
印刷から製本まで、すべて自分でこなしたそうですよ。

そのあたりのことを詳しく書いた、

『私は如何にして製本を始めそれで結局何を得たのか、ということ。』

というフリーペーパーもおもしろかったです!

夏己はづきさんのホームページ


『音読』 著:坂本みゆさん

P5270087

「たまとざ」という劇団の脚本・演出家にして、
ブログではテレビ番組のコラムを書いている「リアルおくりびと」こと坂本みゆさんの「朗読用小説」です。

朗読公演で実際に使われた短めの小説が4編はいっています。

硬軟織りまぜた作風なんですが、個人的には「ぱっぱらぱー」な作風のほうが好み。

離婚の危機を克服する様子を「マラソン」を通じてユーモラスに描いた
『スカイブルー・スカイ』が一番好きだなー。

冒頭に掲載されている短歌もいいですね!

君だけに
そっと言おうと思っても
そんな距離にはいなかったのだ

坂本みゆさんのホームページ


『屋上キングダム』 編:屋上キングダム編集部


P5270131

(犬……?)

「屋上」をコンセプトにした、エッセイあり小説あり短歌ありのアンソロジー本。

編集長は稲荷辺長太さん、絵・デザインは後藤グミさん。
他に、あみーさん、志井一さん、辻一郎さん、天国ななおさん、仁尾智さん、
沼尻つた子さん、松陽さん、みなみなみさん、百田きりんさんが参加しています!(ふー)

住んでいる場所も年齢もバラバラな人たちが協力して一冊の作品をつくりあげる、
その行為自体がすばらしいと思いました。

内容も良いです!

特に好きなのは、辻一郎さんの冒頭のエッセイ。
「伝える」ということがテーマなのですが、キラキラとした文章に、ぐっときました!

好きな短歌もいくつか引用しますね。

教室に似ているけれど違うからおじさんたちはなわとびしない (百田きりん)
誰も見ていない青空 大人とはどれだけ大きな人なのだろう (百田きりん)

嬉しくも楽しくもない晴れた日に屋上だから口笛を吹く (みなみなみ)

彼方から反対側の彼方まで飛行機雲が一直線に (あみー)

屋上は上を向いてる 地上から見上げる僕と目を合わせない (あみー)
おのおのの高さでビルが生えていて忍者は屋根を駆け回れない (あみー)
ナントカは高いところが好きだから食物連鎖のてっぺんにいる (あみー)
きみの名を声の限りに 神様は応援団のかたちをしてる (あみー)

特にあみーさんの作品はとてもとてもとても良いと思いました!

屋上キングダムのBlog



『クレイジー・ヤン vol.11』 編:ツルシカズヒコさん

P5270104

(モグラ……?)

『週刊SPA!』の元編集長ツルシカズヒコさんが編集長をつとめる『クレイジー・ヤン』
vol.11は「雑誌は思想である」がテーマ。伊藤野枝をメインに取り上げています。

他にも小説ありコラムあり漫画ありで、「同人誌ってレベルじゃねーぞ」ってクオリティです!
(実際違うのかも?)

どれも読みごたえがあるのですが、短歌ウルフRの管理人としては、
歌人・枡野浩一さんの小説『結婚もっと失格』に注目しないわけにはいきません!

内容はかーなーり切ないです……。
今回が連載第一回目ということなんですが、今後どう展開していくのか気になるなー。

短歌も五首散りばめられていて、作品のイメージを豊かにしているように感じました!
一首だけ引用しますね。

たったいま息子に夢で会いました
夢で会うのも久々だった

泣ける……。

他に「アン・リーの父親三部作」を取り上げた対談コラムもおもしろかった。
『恋人たちの食卓』をひさしぶりに見たくなりました!

クレイジー・ヤン公式ホームページ



『平熱ボタン』 著:伊勢谷小枝子さん

P5270120_2

そして最後は伊勢谷小枝子さんの短歌集『平熱ボタン』なんですが、すみません。
にピントがあって本がボケちゃってますねー。
撮りなおしっと……。

P5270121

モグラまで!
ちょっと邪魔すんなよなー。
ハリネズミくんを見習えっつーんだよ。ぷんすか。

P5270122

お前もかー!

P5270128

どうしてこうなった……。
記念撮影かよ!
モグラなんて前に出すぎて前ボケしてるし……。
あまりふざけていると伊勢谷小枝子さんに吊るされるよ?

P5270117

というわけで伊勢谷小枝子さんの短歌集『平熱ボタン』です!
はっきりいって傑作です!

開きやすいようにリング綴じにした外見がまず目を引きますねー。

中身はとてもシンプル。
白地に黒字で1ページ一首ずつ。

でもそれがまた胸にぐっとくるんですよ!

ところどころに挿入される柴田有理さんの不思議な絵
作品の雰囲気によくあっているなー。

名作だらけの短歌なんですが、特に好きなものをいくつか引用しますね。

鼻水も出るのが納得いかなくてあまり泣かないようにしている
傷口はニヤリとひらく 思い出にするなと全身タイツで止める
ピース! ピース! 私がここにいるせいで私の形に足りない世界
今すぐにゴミと資源に分かれたい もう注入をやめてください
お祈りはやがて短くなっていき世界平和とつぶやいて寝る
彩りをなるべく地味にしておけばやさしく思い出せると思う
なつかしいものしか好きなものがない あなたもはやくなつかしくなれ
さよならは二種類あってもう二度と会えないやつと会わないやつと

好きな作品はこれでもごく一部です!

ドキッとするような鋭い短歌もあれば、くすっと笑える短歌もあり、ぐっとくるあたたかい短歌もある。
その懐の広さこそが伊勢谷小枝子さんの魅力だと思います。

短歌に興味がない人にも伝わる作品だと思うので、ぜひいろいろな人に読んで欲しいですねー。

ちなみに、この本の序文は枡野浩一さんが書いています。
愛情にあふれた素敵な文章なので、ぜひ手に入れて読んでください!

伊勢谷小枝子さんのホームページ


その他 月原真幸さんのポストカード

『八月科』のブースで無料(!)で配布されていた、
月原真幸さんの短歌ポストカードからも気に入った作品を紹介します!

アーモンドクランチチョコをあげるから二度と優しくしないでほしい
優しさでその半分ができている薬みたいなひとになりたい
あまりにもあたたかいので全部嘘だと言われたら信じそうです

孤独感のある切ない作風ですねー。
下手をすると自己愛にべちょべちょにまみれた作品になる危険性が高い作風ともいえるけど、
ギリギリで踏みとどまることできればぐっとくる名作になる。
引用した三首はその成功例だと思います!

特に二首目のような、あまり人から優しくされていない人が、
「自分が優しさを与える側になるんだ」と決意して顔をあげる瞬間を切り取ったような作品は感動的。
それは優しさに満ち足りている人には絶対つくれない「あたたかさ」だと思う。

月原真幸さんのBlog

*

長くなりましたが、以上で文学フリマで購入した本の紹介はおしまいです!

みんなこうして形にするまでのあいだは、いろんな苦労を乗り越えてきたんだろうなー。

それは、商業出版されている本でも同じことなんでしょうが、
作り手の顔が見える分だけ、より強くそんなふうに感じました。

なんかそういうのっていいよなー。

今後もまた、みなさんの、そして他の方々の新作に出会えることをたのしみにしています!

それでは!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (8) | トラックバック (0)

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート完結版(後編)

こんにちは。無計画です。
今年もよろしくお願いします。

「第十回文学フリマレポート」の第4回目は、

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート
「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート完結版(前編)

の続編であり、シリーズ完結編です!

だらだら続いているので、今回はぴゃぴゃっと終わらせますよ!

■前回までのあらすじ

文学フリマいろいろあったのだった

*

知り合いへのあいさつも終え、
買うべき本も買ってしまったので、
あとは文学フリマの閉幕を待つばかり。

夏木はづきさんこと、おさむらいさんにはあいさつできていないけど、
閉幕後にみんなでお茶する約束なのでまあいいや。
一応、あとでブースに顔出してみよう。

そんなわけで、休憩室でおもむろに全裸になり
買った本を読んでゆったりと過ごすことにした。

『クレイジー・ヤン』に掲載されている
歌人・枡野浩一さんの『結婚もっと失格』(←切ない……)を読んでいると、
ていねいに畳んでおいたラメのパンタロンから『酒とバラの日々』が流れてきた。

スマートすぎる携帯TU-KAの8和音着メロだ。

パンツをはきながら電話に出ると、先ほどあいさつをした坂本みゆさんからだった。
なんでもさっきのブースに枡野浩一さんが出現したとの報せ!

取るものも取りあえず、はきかけたパンツをもう一度脱いで、ブースに全力で走った。

すると枡野浩一さんが本当にいた!
しかもなんか本のデザインについておさむらいさんとやりあってる!

なんというか……さすが枡野浩一さんだぜ!

数年ぶりに再開したおさむらいさんと軽く会釈をかわして、
枡野さんと階段社の穂井田さんとややリアルな雑談

ここでその内容は書かないけど、いろいろ考えさせられた。
なんらかの形でブログにアップしよう。
いつか恩返しできるといいなあ。

ちなみに枡野さんはご自身が監督を務めた
『バイバイと鳴く動物がアフリカの砂漠で昨夜発見された』という映画を出品する
「流浪の映像まつり 温故知新」のパンフレットをリュックに入れていたのだけど、
雨でほとんど濡れてしまい、「どうして濡れちゃったのかなー?」と繰りかえしつぶやいていたのが印象的でした。

「雨だからだよ? よしよし」と頭をなでてあげたかった!

ちなみに上の映画は2010年6月19日(土)に映像まつりで放映されるそうですよー。
詳しくは こちら をチェックしてくださいね。

その後、枡野さん穂井田さんと別れて、おさむらいさん御一行と合流。
まもなく文学フリマの閉幕を迎えました!

ちなみに閉幕時でも人の多さは変わらず、盛況のうちに幕を閉じた印象です。
大きなトラブルもなかったみたいだし、大成功といっていいんじゃないでしょうか?
運営スタッフのみなさまおつかれさまでした!

閉幕後は、おさむらいさんたちとお茶をしながら、
「ザンビア」とか「吊るしたい……(by伊勢谷さん)」とか「ピラフ」とか
なんとなくそんな話に花を咲かせた気がします。

*

最後に全体の感想を。

なんの期待もしないで、予備知識もなく参加したイベントでしたが、予想以上にたのしかったです!

ガチムチの体育会系だった管理人ですが、正直「文科系のノリってたのしそうだなー」と思いました。

なによりこれまで全く興味がなかった「本づくり」に興味がわいてきたことが一番の収穫です!

次回、第十一回文学フリマに参加してみようかなー。

*

以上で文学フリマのレポートは終了です!

長々とすみませんでした……。
本当に反省しています……。

でもあと一回だけ続くんじゃ。(えー)

といってもシリーズの続きではなくて、
「文学フリマで購入した本」を紹介する予定です。

なんか「最初からそれだけで良かったのでは?」って感じですよねー。
わかるわかるー。

それではまた!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2010年5月27日 (木)

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート完結版(前編)

こんにちは。八方美人です。
今年もよろしくお願いします。

今回は「第十回文学フリマレポート」の第3回目で、

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート

の正式な続編です!

読んでいないと意味がわからない表現も出てくるので、
先にそちらをご覧いただければ幸いです。

■前回のあらすじ

文学フリマという完全アウェイに乗り込んだ管理人は、
会場をうずまく独特の熱気に気圧されて、休憩エリアで呆然と立ち尽くすことができなかったので座った
そこにヌンチャクを持った謎の美少女が現れた。
果たして彼女は敵なのか味方なのか……?

*

京急蒲田駅から全力疾走して会場にたどり着いたものの、
大展示ホールからは独特の空気が流れていて、そう簡単に入るわけにはいかないようだった。

「エスポワール」

なんかそんな声が聞こえた気がする。

「ざわ・・・ざわ・・・」

あと空中にそんな効果音が浮かんでいた気もする。

(むしられる……っ!!)

そう感じた管理人は、休憩エリアに避難し、今後の作戦を練ることにした。

作戦を練るといっても管理人は「文学フリマ童貞」だ。
「練り」の経験も「ねるねるねるね」くらいしかない。

こんなときは「文学フリマ玄人」であり、「ねるねるねるねの魔女役」でおなじみの
仁尾智さんに助言を求めるのが正解だろう。

そこでツイッターで仁尾智さんに助言を求め、よだれを垂らしながら回答を待つことにした。

おわり






まあ仁尾智さんの話はいつも長くて記事が強制終了されてしまうのでここまでにして、
管理人は「見本誌コーナー」なる小部屋に向かった。
ここは出展作品の一部が立ち読みできるコーナーだ。

_

特に立ち読みをするわけでもなく、ひとしきり「にやにや」したところで、
意を決して大展示ホールに向かうことにした。

入口のところには事務局?があって、公式カタログを無料で配布している。

Photo

これがとても便利!
べ、別にあんたたちはまっさきにこれを手にいれればいいんだからね!

管理人も思わずツンデレになるというものです!

ところで、ぜんぜん話が前に進みませんよ?

今回文学フリマを見学しに来た理由は、「詩歌」ジャンルで、
短歌集を出品している、知り合いのみなさんにごあいさつすることでした。

というわけで、売り子をやっていた、伊勢谷小枝子さん、坂本みゆさんにごあいさつ。
偶然居合わせた『屋上キングダム』の編集長である稲荷辺長太さんにもごあいさつしました。

ここでは、『八月科』『音読』『屋上キングダム』『平熱ボタン』を購入。
それぞれの本は、別記事で詳しく紹介しますね!

その『屋上キングダム』でカバーイラストを描いている後藤グミさんが
文学フリマ会場に来るとの情報をねるねるねるの人から入手したので、
『クレイジー・ヤン』のブースにも行きましたが、お会いできずに残念でした……。

そんな切りの悪いところであれですが、ぐだぐだになってきたので後編につづきまーす。
(後編はおさむらいさん枡野浩一さんが登場しますよ!)

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2010年5月26日 (水)

【復活!】「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート

こんにちは。管理人です。
好きな言葉は「明日の自分に任せた」です。
今年もよろしくお願いします。

昨日、

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート

と題して、簡潔なレポートをお届けしたのですが、
一部のモンスターカスタマーから恫喝まがいのモンスタークレームがありました!

暴力にはきっぱりと屈することがポリシーなので、
すんなりと恫喝を受け入れようと思います。

というわけで前回の続きです!
未読の方は先にそちらをどうぞ。

今回は、「文学フリマにおけるプロモーション方式」という切り口でレポートしまーす。

*

文学フリマは大展示ホールという、
東京のドムドムバーガー3万個ほどの広いホールに、
400を越えるサークルがうじゃうじゃとひしめいている、
ちょっぴりカオス☆なイベントです。

それぞれのサークルの前には長机が置いてあって、
そこに出品物を平積みにして、訪れた人たちが罠にかかるのをじーっと待つ、
そんな黒い欲望に濡れたイベントを想像していただければだいたい間違いありません。

サークルは「小説」「詩歌」「評論」の3ジャンルに大きく分類されていて、
それぞれの分類で売り場がまとめられています。

それにしてもすごい数なので、ちょっと覗いたところで、
自分の気に入る作品にめぐり合える可能性はかなり低い!

これをサークルの立場からいうと、
気にいってくれるお客さんに自分たちの作品が発見される可能性が低い!
ということでもあります。

そんなわけで、各作品がどのように作品をアピールしているのかという
「プロモーション方式」に注目して会場をぶらぶらしてみました。

い、以下にその代表的な方式を書いてみるんだからね!

■公式カタログ

最も基本的にして、効果が高そうなのが「公式カタログ」です!

ちょっと「公文式タガログ語教室」と勘違いしそうな名前ですが、
これは文学フリマに参加する全サークルの作品情報がまとめられた冊子です。
しかも無料!

管理人は、「アウェイ感」に気圧されて1時間ほど入場できなかったので、
発見にはだいぶ時間を要したのですが、
「文科系エリート」のみなさんであれば、入場してすぐのところでもらえるので、
ものの5分でゲットできると思います!

あと、すごく恥ずかしかったのですが、
文学フリマでは、カタログをもらう時に、
「カタログゲットだぜ!」と大声で叫ばないといけないようです。
まあ無料なので仕方のないところですね。

400サークルもあると、全部に目を通すというわけにはいかないのですが、
ぱっと目についた文章に、引き込む力があれば、ちょっと行ってみようかなという気になります。

キャッチーな1、2行のキャッチフレーズと、興味をひくような補足情報があると、
集客にかなりの効果がありそうです。

■見本誌

文学フリマにおける「試食品コーナー」「見本誌コーナー」です!

会場はごちゃついているので、気軽に立ち読みできる感じではありません。
でも文章なんて、実際に読んでみないとわからないですよね?

そんな愛のままにワガママなあなたの欲望を叶えてくれるのが、
大展示ホールとは別に用意された「見本誌コーナー」なんです。

この秘密の小部屋には、各サークルのが作品が、見本誌として置かれています。
試食品とは異なり、たぶん食べちゃだめなんですが、読むことはできます。

そこで気になる作品を見つけたら、カタログを参照して、
そのサークルの売り場に行けばいいわけです!

絵なんかと異なり、ぱっと見で質を判断できない文章ジャンルの作品にとっては、
必須のプロモーションと言っていいのではないでしょうか。

■POP

本屋さんなんかによく置いてあるあれです。
「スタッフのおすすめ!」とか「本年度ナンバーワンミステリー!」とかああいうやつですね。

平積みにしている本は目立たないので、POPは効果的です!

特に表紙に作品情報がまったくないような場合は、
POPにわかりやすくセールスポイントを書くのが良さそうです。

■本

本の「外見」自体も重要です!

やっぱカラフルだったり、イラストがあしらわれていると目につきます。
本の造形や材質が変わっていても同じような効果があると思います!

たとえば直径1メートルくらいの超巨大本とか。
電子顕微鏡でないと読めないナノサイズの極小本でもよろしかろう。

■のぼり

「旗」みたいなやつ。

さすがにのぼりを使っているサークルはほとんどありませんでした。
コストもかかりそうですしね。

でもやっぱり目立ちます。
クオリティを下げれば、安くあげる方法もあるんじゃないかなー。

■呼び込み

売り子による「呼び込み」も効果的。

個人差はありますけど、声をかけられないと買いづらい人は結構多い。
嫌がる人も少なくなさそうですけど、差し引きすると声をかけた方が良いのでは?

ケースバイケースで使い分けることができればベストですね!

■コスプレ ※

別にコスプレじゃなくてもいいんですが、「売り子のビジュアル」も大事かも。

着物姿の女の子がちょこんと座っていたら、それだけでそのブースに行きたいですもんね!
しかも、思わずおっぱいがぽろりとこぼれていたら、それだけで5冊はお買い上げしたいですもんね!
でもその女の子はちょっとヤバいですよね!

それは冗談という建前にして、人の注目を集めるという意味ではアリかと。

※コメント欄でご指摘をいただきましたが、文学フリマはコスプレ禁止だそうです!

■その他

会場では見かけなかったのですが、
ラップトップPC(次回だとiPadとかで作品紹介ムービーを流しつづけるのも良いかもしれません。

作り手さんには「プロモーションなんてあざとい……」みたいな意識があるかもしれませんが、
同じ作品だったら、多くの人に見てもらえた方が良いですよね?

そういう意味では、プロモーションには、まだまだいろいろと工夫の余地がありそうだなーと思いました。

*

ちょっと簡単すぎる、そしてあとになるほどやっつけ感のある紹介でしたが、いかがでしたでしょうか。
文学フリマレポートについては、購入した本や、会った人など、もう少し管理人個人に引きつけたレポートを、後日書くつもりです。

そちらもよろしくお願いします。

ではまた!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (3) | トラックバック (0)

【誤読の部屋】第4回「誠実な機械じかけの僕のままホットミルクを拾い上げれば(星野しずる)」

こんばんは。もう恋なんてしないでくださいみたいなことをいつまでも言う管理人だと思わないでください。絶対。
管理人です。

短歌ウルフRの「タモリ倶楽部枠」こと「誤読の部屋」
一部の熱狂的な支持により今回で4回目です!

第1回「僕だけの集中力を待っているゆれる体を見ていたら夢(星野しずる)」
第2回「にぎやかなアスパラガスから飛び出したゆれる女王に飽きている母(星野しずる)」
第3回「幾何学を忘れ目覚めの週末を集めて風の幾何学でしょう?(星野しずる)」

第4回も「非実在歌人」星野しずるさんの作品を「誤読」します!

前回、「ドスケベ歌人」の汚名をすすごうと、新機軸に挑戦した星野しずるさんでしたが、結果は惨敗……。

今回はどうなることでしょうか。

■今宵の誤読

今宵の一首

誠実な機械じかけの僕のままホットミルクを拾い上げれば(星野しずる)

えっちな歌ですね? わかります。すぐにわかりました。
「ホットミルク」という単語が入っているので間違いありません!

というかグーグル先生によると、まさにそのまんまの名前のえっちなコミック雑誌があるようです!

キャッチコピーは、

発情OK・まるごとたべたいLOVEヒップ、コミックホットミルクVol.5、全国書店、コンビニにて発売!

なんかもう「男であることをジャンピング土下座でお詫びしたい」コピーですね……。

ともかく、えっちな歌であることは明白。
もはや言い逃れはできませんよ?

ただし、短歌の世界における「ホットミルク」は、雑誌のことではなく、「精子」のメタファーです。

そのまんまじゃん……と思われたあなたは学が浅いです!
平安時代から伝わる大和言葉のうつくしい響きを理解してください。

また、その時代における革新性も考えるべきです。
たとえばこのような名場面を読んだあとでも、そんな減らず口が叩けますか?

光源氏「藤壺のことを想っていたらMAROのMARAからホットミルクが出たなう」

……ね?

さて、では「ホットミルクを拾い上げれば」とは、どういう意味なのでしょうか?
液体を拾い上げるのは、いささか不自然です。

これは二通りの解釈が可能です。

A:ホットミルクを拭きとったティッシュを拾った
B:ホットミルクが入ったコンドームを拾った

いずれにせよ「後始末」のことだと考えて間違いはなさそうです!

となれば、前半部の「誠実な機械じかけの僕のまま」の意味もだいたい明らかになってきます。

つまり全体の歌意はこうでしょう。

「機械のように言われるがままに夜のご奉仕をしてきた男が、機械のように黙ったまま後始末をしている」

内容はそれなりに哀しいけど、なによりも誤読の不調さに泣ける……。

あと、えーと、改作?
あー、なんか、あれ、ロボットっぽさ? そーゆーの出せば?

■今宵の改作

誠実ナ機械ジカケノ僕ガ(ウィーン)ホットミルクヲ拾イ上ゲレバ(ガシャン)(星野しずる)

このように、改作が改悪になったという意味で、快作と言えましょう。

今宵も素敵なお歌をありがたう。
そしてなんとなくごめんなさい。

*

第4回いかがでしたでしょうか?
今回は「下ネタしばり」が逆にネックになりました……。

次回からは、がらっと趣向を変えてお送りするので見捨てないでください!

それではまた!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年5月25日 (火)

【感想】ツイッター(#kantantanka)に最近投稿された作品について(2010.5.25)

こんにちは。管理人です。
好きな動物園は「野毛山動物園(横浜)」
好きな動物は「おだんごアップヘアの女の子」です。
今年もよろしくお願いします。

先日「第十回文学フリマ」で枡野浩一さんにお会いしました!

その時に「感想は任せるね。ぜんぶ下ネタ解釈でいいじゃん」と言われましたが、
謹んでそのご提案は却下させていただきます……。

短歌ウルフRでは、いつものように好きな作品の感想をゆるゆる書いていきますよー。

今回は、ツイッターのハッシュタグ#kantantankaに
2010年5月18日から5月25日20時までに投稿された作品が対象です。

■感想

うれしくてねむくてつらくておどろいておだやかすぎるいちねんでした(齋藤小鳥)

前回「漢字多くね? まじうけるんですけどー!」と指摘したせいか、オールひらがなです……。
ははーん。喧嘩売っていますね?
でも「おだやか」な感じはうまーく表現できていると思いました!
なんかロシア民謡の『一週間』みたいです。
少年ナイフの『ワン・ウィーク(一週間)』みたいでもある。

またねって手をふったから残酷な希望になった絶望じゃなく(真木さわこ)

「職場にコウモリがチェックインする歌人」真木さわこさんらしい、リアリティにあふれた作品です!
「残酷な希望」と「絶望」ってどっちがマシなんでしょうね?
作品のメッセージは「絶望させてくれたほうがマシ」ってことなんでしょうけど、ちょっと考えさせられました。
あと、「またねって手をふったから」ではじまると、
だいたい「ちょっとしんみりいい話ダナー」って作品になりがちなんだけど、
真逆を行く「ひねくれた感じ」もおもしろいと思いました!

我輩は猫であるけど何か用? ちょっと悩みを聞いて欲しいニャ (二葉吾郎)

あざとすぎる……。
「あざとさ」では人後に落ちない管理人ですがこの「あざとさ」には頭が下がります。
とゆーかー、作中人物の人格分裂してね? きゃはは。ばかうけまじうまいんですけどー!
「何か用?」と聞きつつ「悩みを聞いて欲しい」って……。
「用があるのお前自身かー! ノリ突っ込みかー!」って感じです。
まあでもこれだけ「あざとさ」が突き抜けると、拍手せざるを得ません!
あ、もし後半が別の人(猫?)の台詞だったらすみません。

することをするともうすることはなくもう休憩にする(文字どおり) (is)

「東京都札幌市在住の平熱系ボタン歌人」isさんらしい、
同じ言葉の繰りかえしと括弧づかいが印象的な作品です。
最初ピンとこなくてスルーしてたんですが、
「ラブホテルのことかー」と気づいてから「うまさ」にうなりました。
あれですね。「うまい棒(納豆味)」に匹敵する「うまさ」だと思いますよ?

信号がずっと青だと怖くなる よわいこころで走っています(齋藤小鳥)

管理人的にかーなーり共感度の高い作品です!
「よわいこころ」がひらがななのもイイ!
これが「弱い心」だとちょっと強そうですもんね?
「齢小五郎」だと意味わからないうえに柔道の達人っぽいですもんね?
だいたい「こころ」じゃなくて「こごろう」で変換していますもんね?
……そんな感じです!

興奮はしてるよ だってほら見なよ 立ちあがろうってがんばってるよ?(篠原謙斗)

これもあざといなあ……。
なんか篠原謙斗さんって「自分のTINTIN」に「クララ」って名前をつけて、
「クララが勃った! クララが勃った!」と叫びながら相手の顔の前にアレを突き出して踊りまわってそう……。
ねえ? そうなんでしょ? 教えておじいさん!
ただ、作品の完成度はさすがだと思います!
あそこは「半勃ち」なのにねー。くすくす。

*

それにしても、コンスタントに作品をつくり続けている人たちがいると刺激を受けますね!
俺も作品つくらないとなー。

それではまた!

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「第十回文学フリマ」ぶらり見学レポート

こんにちは。管理人です。
好きな「フォルクスワーゲン・ニュービートルの色」は「ベージュ」、
好きな「ブリオレ」は「ニュービートル・カブリオレ」、
欲しい「力」は「最後までやり切る力」です。
今年もよろしくお願いします。

2010年5月23日に東京都大田区産業プラザPioで開催された
「第十回文学フリマ」を見学してきました!

文学フリマは「なんでも文学」がコンセプトの「文科系同人誌即売会イベント」です。

ガチムチの体育会系で、カタギの世界に生きている管理人には一生縁のない世界だと思っていたのですが、
知り合いの夏己はづきさん(性格:さむらい)がちのはてから参加すると言うことなので、
おそるおそる見学に行くことにしました。

夏己さむらいさんとは、ツイッターなどを通じて、
短歌のプロモーション方法について議論を交わしたこともあり、
「短歌に興味のない文学好きに売り込む」という侍魂がどこまで通用するのか、お手なみ拝見ですなあ。

あと、伊勢谷小枝子さんも短歌集『平熱ボタン』を引っさげて、
日帰りでちのはてから参加すると言うことなので、そちらの出来ばえも見てのおたのしみですなあ。

売り子としておさむらいさんのお手伝いをする坂本みゆさんも……見ものですなあ。

まあそんな「いやーなスタンス」で見学しようと考えていたわけです。

あいにくの雨のなか、最寄の京急蒲田駅から、
傘をささずにすべての雨粒をよけながら会場につくと、
すでにたくさんの人があふれていました!

Photo

ざっと数えて数十人から数万人の範囲内の人です!

雨のなか何やってんだ!
自宅で『親指タイタニック』でも見てればいいのに!

こういうイベントがはじめてな管理人は、
この「ここ中東?」みたいな「絶対に負けは避けられないアウェイ感」に気圧されてしまい、
会場に入らず一目散に休憩エイリアみたいなところに避難。

ツイッターで仁尾智さんなどに助けを求めつつ、
「文学フリマとどのように戦うか」をイメージトレーニングしました。

まあこの書き方だと話が長くなりそうなので、突然でアレですが、文学フリマたのしかったです

おわり

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (4) | トラックバック (0)

2010年5月24日 (月)

鋼鉄のカラダがじまん耳たぶは

鋼鉄のカラダがじまん耳たぶはとくに固いぜかかってこいや (長瀬大)

人気ブログランキングへ←管理人の「やる気スイッチ」ですよ?

| | コメント (2) | トラックバック (0)

« 2010年5月16日 - 2010年5月22日 | トップページ | 2010年5月30日 - 2010年6月5日 »