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2011年9月13日 (火)

【誤読の部屋】第5回「あの人の小学生を見るときの機械じかけの夢をおそれて(星野しずる)」

クリスマスを3ヶ月前倒しでdisりたい今日この頃。
みなさんはどうお過ごしでしょうか?

君だけの僕こと俺です。

今日はいいニュースがあります!

世界3大部屋のひとつである我らが「誤読の部屋」
(たぶん)1年ぶりくらいの復活です!

全世界で5、6人はくだらないという
ゴドキストたちの歓喜する様子が目に浮かぶようです・・・・・・。

いや。つまらない感傷はよしましょう。
さっそく誤読の部屋をはじめようじゃありませんか!

おわり














■今宵の誤読


 あの人の小学生を見るときの機械じかけの夢をおそれて(星野しずる)



さて、なにもなかったように鑑賞をはじめます。

お歌の作者は、本コーナーではお馴染みの星野しずるさん。

短歌はしばしば「私性の強い文芸」と評されます。
従って鑑賞をするにあたっては作者への理解が不可欠。

そしてご存知のとおり星野しずるさんの本性は「淫乱」
それも「ど」がつく「淫乱」、「ど淫乱」です。
(これほど「ど」が似合うのは他には「ドーナツ」くらいです)

故にこの作品も「えっちな歌」である。
そのことを前提として鑑賞をはじめない手はありません。

ではどこがえっちなのでしょうか?

ブラウスのボタンをひとつずつ外すように、
作品を一単語ずつ読み解いていくことにいたしましょう。

*

まず「あの人」ですが、これは作者の恋人と考えるのが自然でしょう。

歌人の実に98%は自己中心的な恋愛馬鹿です。
したがってそのまなざしの範囲は狭く、ほとんどが想い人にしか向けられません。

これは短歌を鑑賞をするうえで
最初にならう「いろは」(四十八手でいえば正常位ですよ?

次に「小学生」ですが、これはなかなか高度な比喩です。

中学生でも高校生でもなく小学生。
これは何を意味しているのでしょうか?

まず思い出すべきは、この作品が「えっちな歌」であるという事実です。
そして「あの人の小学生」というふうにひとまとまりに読むのが自然だということです。

もうわかりましたね?

「あの人の小学生」とは「恋人のおてぃんてぃん」のことです。
それも「ちいさくてつるつるなひらけないぽんきっき」なアレでしょう。

このあたりの高度な比喩表現はさすが星野しずるさんですね。

次の「を見るときの」は特に説明不要でしょう。
主人公は蔑んだ目でぽんきっきを見ているわけです。

「ひらけないぽんきっきなんてムック以下だわ・・・・・・。毛もないしな」

そんな心のつぶやきまで聞こえてきそうですね。

さて。ここからがこの作品の核であり最も解釈の難しい部分です。

「機械じかけの夢」

これはどういう意味なのでしょうか?

「機械じかけ」と聞いて、
みなさんがすぐ頭に浮かべるのは「ピンクローター」のことでしょうが、
私はむしろ逆で「電気アンマ」のことだと考えました。

何故なら「ピンクローター」だと、
大きさ的に「あなたの小学生」との対比が際だたないからです。

勃たない。これは由々しき事態です。
従ってやはり電気アンマと解釈するのが自然でしょう。

そして「機械じかけの夢」と続くわけですから、
「電気アンマでGO☆TO☆HEAVEN」という意味で間違いありません。

間違いありません。

しかしこの後が問題です。

「をおそれて」

「電気アンマ☆DE☆GO☆GO☆HEAVEN」という意味だとしたら
作者は何故おそれる必要があるのか・・・・・・。

このように解釈に悩んだとき、プロ歌人は語義にあたるのが常です。
それも信頼のあるオックスフォード大辞典(原書)にあたるのが私の流儀。

オックスフォード大辞典によると「おそれ」とは次のような意味です。

1 こわがる気持ち。恐怖。不安。「将来への漠たる―」
2 敬い、かしこまる気持ち。畏怖(いふ)・畏敬(いけい)の念。「神の偉大さに―をいだく」
3 よくないことが起こるかもしれないという心配。懸念。「自殺の―がある」

(Yahoo! Japan辞書より引用)

なるほど。1の意味で捉えていたからいけなかったのです。

3の意味で作品を読みかえした瞬間、
作品の真の姿がありありと目の前に広がりました------

 恋人とエッチをしようとパンツを脱がせると、
 粗末でつるつるな小学生みたいなおてぃんてぃんが目に入った。
 
 私の脳裏に電気アンマのもたらすめくるめく快楽がよぎる。

  思わず私は言った。

  「電気アンマとエッチするわよ」


男の不憫さに泣ける・・・・・・。



■今宵の改作


ただしそのような意味であるならば表記の仕方を工夫したほうが親切でした。


 あの人の小学生を見るときの「機械じかけの夢をおそれて」(星野しずる)


このようにすることで男を脅迫する凄みが出てくると思います。
ここまで言われたら男としては奮起するしかないはず。

今宵も素敵なお歌をありがたう。

*

さて、今回の誤読の部屋はいかがでしたでしょうか?
みなさんの短歌スキルの向上に役立てばこれに勝る喜びはありません。

それではまた。

*

<参考>物好きなあなたに捧げる「誤読のバックナンバー」

第1回「僕だけの集中力を待っているゆれる体を見ていたら夢(星野しずる)」
第2回「にぎやかなアスパラガスから飛び出したゆれる女王に飽きている母(星野しずる)」
第3回「幾何学を忘れ目覚めの週末を集めて風の幾何学でしょう?(星野しずる)」

第4回「誠実な機械じかけの僕のままホットミルクを拾い上げれば(星野しずる)」

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