【短考】歌会が苦手な人のための歌会を考えた(Part2)
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おやすみなさい。おはようおじさんです。こんばんは。
ということで「歌会」についてのPart2をお届けします!
「前編」の次が「Part2」ってなんだよって感じですが細かいことは気にしないでください。
その前回は歌会が苦手な個人的な理由を「うだうだしたタッチ」で描いてみました。
今回は「どういう歌会なら参加したいか?」
という前向きな問題設定をしたうえで、
既存の歌会の問題点と課題を整理し、
改善案の方向性を提案してみようと思います!
■よくある歌会の問題点
ある程度網羅的に洗い出し、
かつ改善につなげやすいように
歌会運営の時系列プロセスごとに問題点・不満を整理してみますねー。
1.企画・立ち上げの問題
1.目的が不明確
2.参加人数が不適当(多すぎる/少なすぎる)
3.参加者の思いがばらばら
4.「うまくなる」という目的に最適化されていない
5.実施時間が不適当(主に短すぎる)
5.こういった企画趣旨を参加者に告知して同意を取っていない
2.出詠の問題(あまり思い浮かばなかったので観点を列挙)
1.無記名か記名か
2.事前準備か当日作成か?
3.題詠かテーマ詠か自由詠か?
4.出詠できる数
3.投票システムの問題
1.投票が強制されているので全部駄目だと思っていても票を投じないといけない。
2.票に重みがないので作品のレベル差が判断できない
3.評価基準が人によってばらばら
4.特に価値観が違う人の評価をどう考えればいいか明らかでない
4.感想・講評の問題
1.感想が上位に集中している
2.作者が秘されているので作者からの意見が聞けない
3.感想が本質ではなく技術のしかも瑣末なところにいきがち
4.感想の時間が限られていて本質的なところまで深堀できない
5.感想がもらえる作品ともらえない作品がある
6.感想が言いっぱなしでそれが役に立つかどうかが明らかではない
7.興味ない作品に感想を言うのが苦痛
8.人から批評されるのも嫌(どうせこじつけなんだし)
9.作者の意図あてが時間の無駄(意図は聞いちゃってその先を議論したほうが有意義)
5.クロージングの問題
1.そもそもクロージング(振り返り)プロセスが存在しない
2.ということもあって歌会で得たものが次の回に十分に活かされない
とりあえず思いつくままにざっと列挙してみました!
いくつかピックアップして補足しますね。
■目的が不明確
これが歌会システムの諸問題の根本原因だと思っています!
目的が不明確だからこそ、
参加者の思いもバラバラになるし、
思いがバラバラだからこそ見当はずれの意見も飛び出す。
そして目的が不明確だから、
「あるべき理想の歌会」を描けない。
だからそこに改善すべき課題も発見できない。
一方で目的が不明確であることの効用として、
想像しなかった意見や価値観に出会える、なんてことがあるかもしれないですね。
ただ個人的には、そういう狙いがあるのであれば、
それはそれでもっといい仕組みがつくれるはずだ、とも思います。
■投票システムの問題
前回も書きましたが、
とにかく普通の投票システムは情報量がなさすぎです!
ちょっとした手間と工夫で情報量は増えるし、
情報量が増えると作品を語るとっかかりや切り口も増えるので、
ここはどうにかしたいところ。
■感想・講評の問題
「目的が不明確」であることの弊害が
噴出するのがこのプロセスだと思っています。
みんながそれぞれの方向に向かってボールを投げていて、
全然パスがつながらないような印象がある。
それはそれでいい面もあると思うのですが、
このあたりは目的によっていろいろ工夫ができそうな気がします。
*
ということで長くなったので今回はここまで。
次回はこういった問題点を踏まえて改善案の方向性を提示しようと思います。
濱田マリでした。
また明日な。
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