【短考】歌会が苦手な人のための歌会を考えた(前編)
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こんにちは。
2か月ぶりにお届けするブログのテーマは「歌会」です。
*
みなさんは歌会に参加したことありますか?
僕はありますまい。(どっちだよ)
ネット歌会に参加したことは何回かあるのですが、
リアルな対面での歌会に参加したことはありません。
最近「空き地歌会」とか「空き家歌会」とか、
新しい試みもされていて、
それぞれにすてきな作者が参加されているし、
すごくたのしそうなので興味はあるのですが、
自分が参加するには抵抗を感じるお年頃です。
今回はまず「何故歌会に参加したくないのか」その理由を書いてみようと思います。
かなり極端な意見ですが、同じように感じる人は結構いると思うし、
今回の記事はそういう人たちにこそ読んで欲しいです!
■否定されるのが嫌だ
まずは単純にこれですよね・・・・・・。
「なんでわざわざそんな嫌な思いを・・・」という気持ちが素直にある。
「否定されてこそ成長がある」みたいなことを
ブログで偉そうに書いた人間とは思えない発言ですが・・・・・・。
つ 【短考】自分の短歌が思うように評価されないのはなぜか?
■批評されるのが嫌だ
じゃあすごい名作を出詠して賞賛を集めることができればいいのか、
というとそうでもなかったりする・・・というひねくれた気持ちも。
なんか強制下で行われる批評って信用できない。
「批評しないといけないから無理やり理屈づけたりしてるんだろどうせ・・・」という疑心暗鬼。
だいたい31音しかないのにそんなに語ることなんてあるのか?
どうせ深読みと誤読と拡大解釈のオンパレードなのに、
そんな批評から学ぶことなんてあるのだろうかという疑問が鋭くある。
最悪なのは「深読みの美しさを競う」みたいな状況。
むりむりむりむり。
そんな批評だったら投票のほうがまだいいし、
作品を磨き上げるなら「ひとり歌会」のほうがいいとか考えてしまう。
■批評するのも嫌だ
そして自分自身が人様の作品に批評するのも気が重い。
「私なんかが批評なんて・・・」みたいな謙虚な気持ちもあるけど、
まあそれは相手が「批評してくれ」って懇願してる状況だったら割り切れると思う。
でも自分が全然いいと思わない興味もない作品にしたり顔で批評をしないといけないなんてぞっとする。
そこを我慢しないと相互に批評するというシステムが成立しないんだろうけど、
そもそも批評されたくない人にとっては
我慢してまでそのシステムの成立に力を貸すインセンティブがないからなあ。
■投票システムに納得がいかない
あと歌会ではお決まりの投票のシステムも納得がいかない。
歌会によって多少味付けに差はあるものの、
基本的には一人が何票か持っていてそれを出詠作品に配賦し、
その合計点でランキングするというシステムがほとんど。
このシステムの重大な欠点って、
「作品への評価に関する情報がほとんど得られない」という点だと思うんだよなー。
特に0票作品の場合がわかりやすいですよね。
ほとんど情報量が0。
なので機能として期待できるのは、ただの順位づけなわけですが、
その順位づけだって「1首選」なのか「3首選」なのか「5首選」なのかで結果が左右される程度の代物です。
たとえば5首選で1位になった作品があったとして、
実はその作品に投票した人がみんな「5首中5位」で選んでいたとします。
この時に、もし投票ルールが「好きな3首を選ぶ」だったら、
その作品は0票だったわけです。
「まあ順位はお遊びみたいなものだから」という意見もあるでしょうけど、
大抵の歌会は順位が高いほど講評時間も多く取られるわけでちょっとねえ?
■全体的に白々しい
なんか歌会って全体的に白々しくないですかね・・・・・・。
作者名を伏せて講評していることもあって、
「本当は作者なのに作者じゃない演技をして当たり障りのないコメントをする」とか、
「それは作者に意図を聞けばいいんじゃね?」というようなことを妄想しあうとか。
これだけ白々しいことって日常生活でなかなかないと思う。
*
他にも108個くらい理由はあるのですがまあこれくらいで。
そんな「ゴルフと歌会をはじめるようになったら人間おわり」と
わりと本気で思っていた僕ですが、
やっぱ空き地歌会とかたのしそうだし、
外から文句を言っているだけだと、
たのしそうな人たちにやっかんでいるみたいだし、
(実際にやっかんでいるし)
ここは前向きに
「どんな歌会なら自分は参加したいだろうか?」
という問題設定をしてみることにしました。
ということで次回は既存の歌会の問題点や
課題を整理して改善案の方向性を提案してみます。
それではまた!
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コメント
謹言
氏名にて歌詠むことを控えると心に深く刻みつけよう
添削を勝手にされて改まる赤の活用辞書にはあらず
歌会に誘われてしまい出した歌よりひどくなり怒りこらえる
短歌には先生はいらず自ずから学び悩んで事足りるべし
投稿: 春日 | 2016年1月 4日 (月) 22時45分